「人は皆スタートラインが違う。スタートが遅い人もいれば早い人もいる。だから自分のペースで生きればいい」
なんて言葉をよく聞く。でもこれ、大嘘。
スタートラインどころか、競技が違う。
ただの徒競走の人もいれば悠々自適なマラソンの人もいれば、トライアスロンや障害物競争の人もいて、その内容・条件も違えば距離も違う、何もかも違う。
中には足に鉄球を鎖で繋げられて、鞭を打たれながら走らされる人もいるし、転んだり止まったりしたら殴る蹴るされたり身ぐるみ剥がれたりする人もいる。
本来は優劣や比較をつけられないことを、ムリヤリKPI(Key Performance Indicator)みたいなものを作ってムリヤリ画一化しようとして、矛盾を生じて問題だらけになってるのが教育やら労働やら。
適材適所で、得意を活かし合う、人の苦手を自分の得意で補う、自分の苦手を人の得意で補ってもらう、こうすることで生産性と効率性を最大化できるのに、まったくもって多くの人は真逆のことをする。こともあろうに得意なことや好きなことで輝いてる人の光を闇で消そうとさえする人も少なくない。IT分野ではGDPに比べて他国に大きく遅れを取ってる日本人は特に。
苦手を人並みに克服したところで得意な人に勝てるわけないし、好きなことじゃないから克服までに有限のリソースである時間をムダに消耗する。そんな時間があれば、好きなことや得意なことを内発動機で何倍も伸ばせて、結果的に人の役に立てたり本人が感じる幸せが爆増する。
スタートラインどころの騒ぎじゃない。オリンピック全種目とパラリンピック全種目を、まったく同じ評価軸で勝手に他人が審査しまくってるこの社会は、控えめに言って病んでる異常やから、ちょっとパラダイムシフトしてもろて。